民法の原則によれば、期間の定めのない賃貸借はいつでも解約の申し入れができます。それでは借地人が厳しい立場に置かれるので、借地法で、期間の定めのない借地契約は、堅固建物のとき60年、非堅固建物の時30年とされます。

借地法では、契約期間を定めるときにも、堅固建物の時30年以上、非堅固建物の時20年以上であることが義務づけられていました。借地借家法でも、期間の定めのない賃貸借のときには、堅固非堅固の区別なく、30年、借地期間の最低期間は30年とされています。

借地契約が期間満了により終了しても、当然に更新される法定更新があります。ほとんどの借地権は法定更新されているのが現状です。法定更新にまつわる紛争としては、地主が更新拒絶して、借地人がそれを争うケースです。借地人としては、地主の更新拒絶には「正当事由」がないとして、借地権の継続を争っていきます。

法定更新

借地法

更新請求による更新 同一条件で借地権を設定したとみなされる。地主の遅滞なき異議があって、地主が自分で使う必要など「正当事由」があるときは借地契約は更新しない。
使用継続による更新 借地人が使用を継続して地主の遅滞なき異議がないと同様。
合意更新 当事者間で契約の更新を合意する。
建物再築による更新 借地期間を残し、建物を再築したとき、それが残存期間を超えて存続する建物であるとき、借地権は建物の滅失から30年(堅固、非堅固は20年)存続する。地主の遅滞なき異議がないこと。
契約更新の借地期間

更新請求…同一条件
使用継続…同一条件

合意更新
堅固…更新時より30年
非堅固…更新時より20年
※旧契約と同一性を持った契約か、新たな借地契約か争われることがある。そのとき具体的に争われるのは、

  1. 敷金保証金はそのまま維持されるか。
  2. 更新前の土地買受人に更新後の借地権を主張できるか
  3. 従前の借地契約の保証人は新契約でも保証人になるか

建物再築
堅固…更新時より30年
非堅固…更新時より20年

建物買取請求権 更新しないときには建物を時価で買い取る請求ができる(借地権価格を含まない)

借地借家法

更新請求による更新 同一条件で借地権を設定したとみなされる。地主の遅滞なき異議があって、地主が自分で使う必要など「正当事由」があるときは借地契約は更新しない。
使用継続による更新 借地人が使用を継続して地主の遅滞なき異議がないと同様。
建物再築による更新 更新前の再築…残存期間を超えて存続する建物、地主の承諾。
更新後の再築…地主の承諾。
契約更新の借地期間 更新請求…同一条件
使用継続…同一条件
合意更新…最初の更新20年、二度目以降の更新10年
建物再築…承諾or再築から20年(地主が再築の通知を受けた日から2ヶ月以内に異議を述べないとき)
建物買取請求権 更新しないときには建物を時価で買い取る請求ができる(借地権価格を含まない)